【札幌の不動産屋が解説】生活保護と生活扶助の違いとは？支給額や申請のポイント

生活に困窮した際、頼りになるのが公的な支援制度です。しかし、「生活保護」や「生活扶助」といった言葉の違いが分からず、戸惑ってしまう方も少なくありません。

そもそも「生活扶助」とは？生活保護との関係

「生活扶助」と「生活保護」は別の制度だと誤解されがちですが、実は「生活保護」という大きな枠組みの中に「生活扶助」が含まれています。

生活保護は「8つの扶助」の集まり

生活保護制度は、憲法第25条に基づき、国民の最低限の生活を保障する制度です。
生活保護を受けると、必要に応じて以下の8種類の中から支援が行われます。

1. 生活扶助（食費・光熱費・被服費など）
2. 住宅扶助（家賃の実費）
3. 医療扶助（医療費）
4. その他（介護、教育、出産、生業、葬祭）

つまり、「生活扶助」とは、生活保護制度の中でも「日常生活にかかる費用（食費や光熱費）」への給付のことを指します。

生活扶助で賄うもの

生活扶助費は、以下の費用として支給されます。

• 食費
• 被服費（衣類）
• 光熱水費（電気・ガス・水道）
• その他、日常生活に必要な費用

このお金をやりくりして、毎日の生活を送ることになります。

気になる支給額はいくら？（札幌市の目安）

支給される金額は、世帯の人数、年齢、住んでいる地域（級地）によって細かく決められています。

2023年以降、物価高騰を考慮して基準額の見直しが行われています。ここではあくまで目安として解説します。

支給額の計算方法

生活保護費の支給額は、以下の計算式で決まります。

支給額 = 国が定めた最低生活費 – あなたの収入

具体的な支給イメージ（単身世帯の場合）

例えば、
札幌市で一人暮らしをする場合（収入が0円の場合）、以下のような内訳で支給されるケースが一般的です。

生活扶助（生活費）

約 70,000円 ～ 80,000円

住宅扶助（家賃）

上限 36,000円（札幌市単身の場合）

合計受給額

約 110,000円 前後

• 冬季は、これに灯油代などの「冬季加算」が上乗せされます。

収入（アルバイト代や年金など）がある場合は、この合計額から収入分を差し引いた差額が支給されます。

生活保護（生活扶助を含む）よくある疑問と注意点

生活保護制度を利用するための条件は？

生活保護（生活扶助を含む）を受けるには、以下の条件を満たしている必要があります。

1. 資産がないこと（預貯金、利用していない土地・家屋、高価な車などは原則処分の対象）
2. 働くことが困難、または働いても最低生活費に届かないこと
3. 他の制度（年金や手当など）を活用しても生活できないこと
4. 親族からの援助が受けられないこと

「生活扶助だけ受けたい（住宅扶助はいらない）」といった選び方は原則できません。世帯の状況全体を見て判断されます。

お金の使い方に制限はある？

支給された保護費は、生活を立て直すための大切なお金です。

生活費、家賃、医療費などに充てることができますが、借金の返済に充てることは禁止されています。
また、過度な贅沢やギャンブルへの使用も指導の対象となります。

一人で抱え込まず、まずはご相談ください

経済的な困窮は、誰にでも起こりうることです。

• 「家賃が払えない」
• 「明日の食事にも困っている」

という場合は、ためらわずにご相談してください。

生活保護申請サポート

生活保護の複雑な申請手続きや、各区役所への相談に同行し、スムーズな申請を支援します。

住居の確保

住宅扶助の規定内で入居可能な物件のご紹介、契約手続きのサポート、必要に応じた保証人代行サービスなど、安心してお住まいいただけるようお手伝いします。

入居後の支援

申請からお引越し、新生活のスタートまで、責任をもって寄り添い、サポートいたします。